ことばの木 言語聴覚士の日記 ~障がい児との関わり~

~障がい児との関わり方や療育についてのお話し~

感覚と運動とコミュニケ-ション

前の記事で感覚のお話をしたので、それがどのように運動やコミュニケ-ションに繋がっているのかをお話したいと思います。

前の記事【感覚統合とは?】 https://okikotoba.hatenablog.com/entry/%E6%84%9F%E8%A6%9A%E7%B5%B1%E5%90%88

 

画像を見てください!!感覚と運動・コミュニケ-ションがブロックピラミッドになってますね!!これが、感覚とほかの機能の繋がりを示してます。基盤の積み木が凸凹だと、上に積まれた積み木も安定しませんね!!

これを細かく話していきたいと思います。

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 人は、正しく体を動かし、正しく感じることで、色々な情報を得たり、働きかけができるようになります。

では、正しく動くには?正しく感じるには?どのようなことが必要なんでしょうか。

 

①感覚と運動の関連性

 

人は重力の中で体を支えることで、自分の体を思い通りに動かせる準備ができます。

そのため、重力に逆らうための力が必要です。イメージとしては、背もたれがない椅子にしっかりと座るイメージです。体幹が弱い子は自分の体を保つことができずに椅子から落ちてしまいます。

 

では、椅子にから落ちないようにするためにはどのような機能が必要なんでしょうか?

①自分の体のイメージ力。

②バランス

体幹などの筋力など

私は大きく分けて上記の3つが必要だと考えています。

 

運動系が必要なことはわかったけど、感覚との関連ってあるの?って思いますよね?

まず①で必要な感覚は固有受容感覚。②で必要な感覚は前庭覚。③で必要なのは固有受容感覚などが挙げられます。

 

ではでは、どのように関係しているかを簡単に説明しますね!!

①、③に挙げられた固有受容感覚は筋・関節の感覚と前のブログでお話しました。この感覚はどのように体を動かしているのか、どれぐらい力を入れようか?を確認・調整する感覚でもあります。そのため、この感覚が鈍麻だと力を入れきれなくて、椅子から落ちたり、体のイメージができず、凄く背もたれにもたれかかり力が入ってるような変な姿勢になってしまいます。

②に挙げられた前庭覚はバランス機能の感覚です。これが鈍麻だと、自分が傾いていることに気がつかず倒れてしまうことがあります。

 

このように運動と感覚は密接な関係があり、感覚が凸凹の子は運動が苦手なこともしばしばみられます。

 

なので私は感覚を重視して評価しています!!!!

 

 

②運動と言語の関連性

次は運動と言語関連性です。

私は保護者に運動と感覚の大事さを説明する際に乳児の発達のお話を良くします。

 

「あかちゃんの頃は、首が据わって、ハイハイして、つかまり立ちして、歩く。歩き出した頃に単語って喋り始めますよね~」

 

このように人は立つことにより胸郭を最大限使えるようになり、また喉や口腔など発音に必要な機能をうまく使えるようになります。

 

他には、「せんせい」を「てんてい」と言う発音が苦手な子がいます。そのような子は手先が不器用だったり、運動が苦手な場合があります。

 

え?それって運動と関係あるの?って思いますよね?それを説明したいと思います。

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脳機能 局在

上の画像はホムンクルスと言って、人の感覚を司る脳の場所(右側)、運動を司る脳の場所(左側)を示しています。

左側の運動の図を見てください。口と指先の運動と司る脳機能部分ってすぐ上にありますね!!

私は、脳の局在(機能部分)が近いため手先の不器用さと発音は関連してると考えています。これは、文献でも発表されています!!

なので私が行う発音の訓練は60分のうち、運動が40分、発音の訓練が20分と運動に力を入れることが多いです。

運動・感覚遊び時間は、手先が不器用な子は粗大運動(走ったり、跳んだりする基礎運動)、粗大運動が苦手な子は感覚遊び(感覚の過敏・鈍麻の軽減)を行っています。

 

まとめ

①感覚と運動は密接に関わっていて、感覚に凸凹がある子は運動するための基盤を作れないことがある!!

②乳児の発達をイメージすると、運動ができるようになって言葉が出始める!!

③発音と運動は密接に関係している!!

 

 

以上、感覚と運動とコミュニケーションの関係性についてでした!!

 

どのような遊び、訓練をしているかは次の記事で書きたいと思います!!!

質問や書いて欲しい内容などお待ちしてます!!!