ことばの木 言語聴覚士の日記 ~障がい児との関わり~

~障がい児との関わり方や療育についてのお話し~

感覚統合療法ってなに??

今回は私が療育で活用してる感覚統合を紹介します。

 

感覚統合ってなに??

人には感じることができる感覚がいくつかあります。この感覚に凸凹があると運動やコミュニケ-ションに問題が出てしまうため、幼少期のうちに感覚の凸凹を少なくしようという理論です。

感覚統合で見ている感覚は大きく分けて5つ!!

①触覚(触る感覚)

②前庭感覚(揺れる・回る感覚など)

③固有受容感覚(関節・筋の感覚→体を動かす時に使う感覚・力加減の感覚など)

④視覚(見る感覚)

⑤聴覚(聞く感覚)

 

感覚は人それぞれ、感じ方の差があります。例えば温度の同じ食べ物を食べても、「熱い」と感じる人と「熱くない」と感じる人がいますね!!このように、人は一人一人感じ方が違うのです。

生活をしていると、光や音、揺れ、触る感覚など色々な感覚が入ってきます。私は脳で入ってくる感覚を分類、整理することができるのです。

 

周りの人に猫舌の人などいませんか?これは一種の過敏です。障がいを持っている子は上記に書いた感覚が過敏(猫舌・明るい場所が嫌い)だったり、鈍麻(くるくる回っても目が回らない、力加減がわからない)といった感覚の凸凹がある子が多いです。

 

では、もう少し詳しくお話してみます。 

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感覚統合

出典:発達障害のキホン

 

上の画像で見ると、感覚って基盤部分にありますよね?

実は運動が苦手な子、コミュニケ-ションが苦手な子は感覚に凸凹がみられることがあるのです!!!       (細かい話は別の記事に書きます。)

 

なので、私は療育をする前に、保護者に聞き取りを行ったり、お子さんの行動をみて感覚の評価を行っています。

 

日本感覚統合インベントリーが提供してるJSI-Rや、日本文化科学社が発売してる感覚プロファイルを使用しています。

日本感覚統合インベントリー http://jsi-assessment.info/index.html

日本文化科学社 https://www.nichibun.co.jp/kensa/detail/sp.html

 

個人的はJSI-Rが使いやすいですが、日本感覚プロファイルは細かく評価するこができます。

 

ではでは、感覚に凸凹がある子はどのような行動を起こすか書いてみます。

 

触覚過敏・鈍麻

触覚は体の先端(胸郭を中心とする)に行くにつれて敏感になっています。なので、足裏や指、手のひらなどは感覚に敏感です。体でいちばん敏感なのは舌と言われています。

 

過敏な子は極端に触られるのを嫌がったりつま先立ちをしています。触れられるだけで痛いと感じる子もいるため注意が必要です。

逆に鈍麻な子は、触られていることに気づかなかったり、怪我をしても気づかない子もいます。

 

前庭感覚過敏・鈍麻(回転・揺れなどを感じる感覚)

内耳と一緒の場所にある、半器官という場所で感覚を感じています。

 

過敏な子は、少しの揺れでも怖がったり、少し揺らしただけで酔って嘔吐してしまう様子がみられます。 

逆に鈍麻な子はずっとクルクル回っている様子などがみられます。鈍麻な子は自分の体がどれぐらい傾いているかも感じられないため、平均台ですぐに落ちたり、転びやすいことがあります。

 

固有受容感覚鈍麻

聞きなれない言葉が出てきましたね!!笑 

これは関節や筋が感じる感覚と言われています。←どういうこと??って感じですよね!

簡単にいうと、力をいれる感覚、体を動かす時に使う感覚です。

例えば、腕を肩の位置まで上げてくださいと言われたらあげれますよね?固有受容感覚が鈍麻な子は腕を上まで上げたりします。

 

鈍麻な子の特徴。本人は軽く叩いたつもりでも100%の力で叩いてしまったり、体を上手に動かせないため、運動が下手くそになったりします。また、ドンドンと音を立てながら歩く子どももいます。

この子達は1番怒られることが多い印象があります。なので、もし暴力とか振るっている子は、この感覚がしっかりインプットされてるのか評価してあげるものいいかもしれないですね。

 

視覚過敏

自閉症の子のイメージとしてよく使われますね。明るいところを嫌がったり、サングラスを着けないと外に出られないことがあります。また、見える刺激が全部気になりキョロキョロして注意散乱しているようにみられます。

 

聴覚過敏・鈍麻

これも自閉症の特徴でよく紹介されますね。過敏な子はザワザワしている場所でパニックを起こしたり、他児が大声を出すと怒り出すなどの様子がみられます。

逆に鈍麻な子は、呼びかけに答えなかったり、音に反応しないなど難聴かな?と思われる様子がみられます。

 

 

 凄く簡単に感覚のお話をしたのですが、どうでしたか~?

わからないことはコメントに質問してください。それに対して返信や記事を書きたいと思います!!

 

まとめ!!!

感覚統合でみている感覚は大きく分けて5つあるよ。

感覚には過敏と鈍麻があって、それぞれ特徴があるよ。

運動・コミュニケ-ションの基盤に感覚があるんだよ!!

感覚をあまくみないで、しっかりアプローチしよう!!